戦争、ーそれは唐突に勃発する。
あらゆる戦争には原因があるが、これがそれだと断定できることはあまりない。クラウゼヴィッツの指摘を待つまでもなく、戦争とは極めて複雑な政治の一形態なのだ。
最近味をしめたラムネをなんとしても口にほうばろうと全ての穴という穴から汁を迸らせながら泣き声をあげる子供と、
ご飯の前におやつを食べさせるわけにはいかない、そんな習慣をつけてはならない!と、今日のこの戦争に勝たなければこの先朝ごはんをラムネで済ますラムネ人間を育て上げてしまう恐怖に慄きながら、頑としてラムネをあげないOto。
腹は減ったがラムネを出さないなら何も腹には入れん!とハンガーストライキを敢行する子供。
ラムネは無いけどさぁ、いちごならいいよ?となんだかわけのわからない理屈でラムネよりはちょっと朝ごはんよりの甘いものを食べさせて、そこから徐々に甘くない朝ごはんに移行させようとする作戦を展開するOto。
涙なのか唾液なのか何かしらの液体でキラキラと輝く真っ赤に染まった顔面で座り込み戦法を駆使する子供。
いちごもフラれて、ヨーグルトもフラれて、もはや万事休す、このまま兵糧攻めに突入か…?いやしかし保育園の登園時間が…ってゆーかめんどくせぇ…
…こう着状態は意外な形で決着がついた。
「なっとうたべるか」
ラムネからは正反対に位置する食材を子供から妥協案として提案され、もう混乱の極み。え?ラムネ食べなくていいの?と危うくラムネを出しそうになった。
そういうこともある。
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