所有権という言葉がある。「私的所有権」つまり、「これは私のものであってあなたのものではない」と主張する権利である。
んなもん当たり前じゃろ、と思ってしまうところだが、それは現代社会だけでの話。
文明が発達してわずか7000年、現生人類の歴史は短く考えてもだいたい20万年、その中で、私的所有権を法律(民法とか刑法とか)できちんと認めるようになったのは、ほんの200年くらいの話だ。「これは私のものよ!」と公にしゅちょうできるようになったのは、歴史の中ではごく最近の話なのである。
とか講釈垂れ流しながら、我が2歳児を思うとき、
「だめ!これはあたしの!Otoちゃん触らないで!」「はみがきしなーい!Otoちゃんはみがき触らないで!」「自分で食べるの!Otoちゃん触らないで!」
と最近つとに接触禁止令が公布される我が家。
2歳児の私的所有権行使。こんなごく当たり前の自己主張が、なんで社会的に認められない時代が長く続いたんだろうか。社会の偉い人たちがみんな子育てしたことなかったんじゃなかろうか、なんて思ったりした。
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